出会わない靴下
夫は毎日仕事が終わると電話をかけてきます。たいていは「スーパー寄って帰るけど何かいる?」と聞いてくれ、なにか頼むと買ってきてくれます。こういうところは気が利く
今日は電話で「おれ、今からユニクロに靴下買いに行こうかな」と言うので「へ?靴下?山ほどあるよ」と言うと「そうかな?」と、とぼけるので本当は別の場所に出掛ける口実なのかと思い 「飲みに行きたいなら行ってもいいよ」と言うと「いや、靴下がそろそろ足りない気がして…ちょっと家帰って確認するわ!」とすんなり帰ってきました。
確認するまでもなく、夫の靴下は山ほどあるのです。
(自称)ミニマリストの私の10倍は靴下持ってます。私は洗濯をこまめにするので「あっ!今日履く靴下足りない!」なんて事一度だってありません
夫は帰ってくるなり靴下ぜ~んぶ広げて(やっぱり山ほどある…)お気に入りのヤツ、そうじゃないヤツ、仕分け始めました
「おれ…靴下けっこう持ってるな」
「ほらあ!気づいたなら履かないヤツ捨てて!出会わない靴下たちも捨ててよ!」
出会わない靴下というのは片方が迷子になって履けない片割れの靴下の事です。夫は失くなった相棒がみつかると信じて片割れの靴下全てを大事にとっているのです
私はそのいつまでたっても相棒に出会えない靴下を捨てようとして怒られました
「絶対捨てるなよ!おれは靴下はユニクロで買うって決めてるから!そうすれば新しく買った靴下の色が片割れ靴下と同じ色やった時、感動するやろぉ!」
あ、そういう事なの。
失くなった片割れをいつまでも探しているのではなく、新たに買った靴下と色が合うかもしれないってことね。でもそうなれば同じ色の靴下が3枚になるから 煩わしいけどね
ほんの少しだけ夫の気持ちも分かる気がしました。たぶん出会わないけど、もし出会ったら感動するやん?ちょっとおもろいやん?
それだけのために片割れの靴下を大事に保管している
「とにかく今仕分けた履かないヤツは捨ててね!」と言ったのに 「やっぱりいつか履くかもしれないから…」と言い再び大量の靴下をしまい込んでしまいました
私が“いい加減にしろ”という顔をしたので「わかった…一足だけ捨てる…」と渋々 鮮やかな青色の靴下を処分しました
なんでそれ捨てるの?と尋ねると友達にその青色のソックスは部活やってる男子高校生が履いてそうと言われたから、だそうです