不意打ちの優しさ
ベビーカーで散歩に出掛けた帰り道、小雨が降ってきました。家路へと足早に歩いていると、脇からにゅっとおじいさんが出てきて「これ!持ってくか!!」と傘を突き出して来ました
私は「あっ 家近いんで大丈夫でーす !ありがとうございまーす!」と断りさらに速度を上げ、ひとり徒競走のごとく立ち去りました
家に着き、濡れたカーディガンをバサバサやりながら あれ?私なんで傘断ったんだろう。有り難くご厚意を受け取るべきだったのではないかと、もやっとした気持ちが残りました
「とっても助かります!」 と礼を言い、傘を借りて帰ればよかったのに。きっとおじいさんも 母子が雨に打たれず帰る姿を見たかったはず。傘が戻ってくるか否かなどまったくどうでもよかったはず。
私は「受け取る」のがどうも苦手です。できるだけの事は自分でこなそうとしてしまいます。これを長女気質というのでしょうか
幼少期はあまり「おねだりしない」「ワガママ言わない」こどもだったので逆に大人を困らせていたと思います。←今になって思うと
歴代の彼氏にも「もっと甘えてほしかった」
「迎えにきて!とか言って欲しかった」と言われ はっとしたのを覚えています。
私、一度も可愛い女じゃなかった…。
自分の為に相手の労力や時間を頂くことは迷惑なのではないかと過剰に心配ばかりして生きてきたけど、それはまったく逆だったと大人になって少しずつ少しずつ理解したのです
厚意は喜んで受けとれば良い。
相手も自分もハッピーになるのだから
もっとシンプルに、シンプルに、生きたいものです
おじいさんの不意打ちなやさしさには、驚いて私の悪いクセが出てしまいましたが心の中では有り難く、有り難く
傘 受け取りました
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